骨粗鬆症とは、骨の量が減り骨の構造が弱くなることで、骨の強度が低下し骨折しやすくなる病気です。加齢・遺伝・長年の生活習慣などによって、徐々に骨が脆くなっていくため、自覚症状が乏しく、気が付いた時には症状がかなり進行していたということが少なくありません。
骨粗鬆症の患者数は、2015年時点で1300万人と推測されています。女性に圧倒的に多く、50歳以上の女性の3人に1人がかかっているといわれています。これは妊娠や授乳期に大量のカルシウムが必要であったり、閉経によって女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌が減少するためと考えられます。
骨粗鬆症は女性に多く見られますが、男性が発症しないわけではなく、全体の4分の1(約300万人)は男性が占めています。

骨粗鬆症は、骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。骨折すると、痛みや機能障害を引き起こし、寝たきりや介護が必要になることもあります。

骨粗鬆症の危険性を高める要因には、以下のものがあります。

  • 年齢: 年齢とともに骨密度が低下するため、高齢者は骨粗鬆症のリスクが高くなります。
  • 女性: 女性は男性よりも骨粗鬆症のリスクが高くなります。
  • 家族歴: 家族に骨粗鬆症の人がいる場合、骨粗鬆症のリスクが高くなります。
  • 骨粗鬆症のリスクを高める薬: ステロイドや抗凝固薬など、骨粗鬆症のリスクを高める薬があります。
  • 生活習慣: 喫煙、飲酒、運動不足などの生活習慣は、骨粗鬆症のリスクを高めます。

1.血液検査

骨の代謝(形成と吸収)を評価する検査です。骨粗鬆症のリスクを判断したり、治療効果を判定したりするために用いられます。

・骨形成マーカー

骨形成マーカーは、骨形成の活性度を反映する指標です。

・骨吸収マーカー

骨吸収マーカーは、骨吸収の活性度を反映する指標です。

・ビタミンD

ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進する役割があります。

・副甲状腺ホルモン

副甲状腺ホルモンは、カルシウムの血中濃度を調節する役割があります。

これらの項目を測定することで、骨代謝の状態を総合的に評価することができます。

1. 骨密度測定検査

X線や超音波を用いて骨密度を測定する方法ですが、当院では大腿骨頸部と腰椎の骨密度をDXA( Dual Energy X-ray Absorptiometry )を用いて測定します。骨密度が一定値以下になると、骨粗鬆症と診断されます。

DXA法の検査結果は、TスコアとZスコアで表されます。

  • Tスコア:若い成人の平均骨密度と比較した値
  • Zスコア:同年代の平均骨密度と比較した値

Tスコアが-2.5以下になると、骨粗鬆症と診断されます。

2. 脆弱性骨折の問診

脆弱性骨折とは、ちょっとした転倒や軽い力で骨折することです。過去に脆弱性骨折をしたことがある場合は、骨粗鬆症の可能性があります。

これらの検査結果に基づいて、総合的に判断し、骨粗鬆症かどうかを診断します。

骨粗鬆症は、自覚症状がないことが多いため、定期的に検査を受けることが重要です。

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